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- 2019.06.15 Saturday
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毎日文化センター(東京校)の講座でブリヂストン美術館へ。ブリヂストンとオルセー&オランジュリーのコレクションを中心に構成された展覧会「ドビュッシー、音楽と美術」を開催中です。
http://www.bridgestone-museum.gr.jp/
音楽と美術(そして文学)が強く刺激しあっていた19世紀末〜20世紀初頭の西洋の様子や、当時の日本とヨーロッパの親密ぶりを、ドビュッシーを案内人にして追体験した感じでした。
サブタイトルに「印象派と象徴派のあいだで」とあり、対照的な表現を肥やしにしたドビュッシーの心境がちょっと想像できました。「○○派」に縛られすぎるのは面白くありませんが、今回の展覧会は(私は)楽しくみることができました。受講生のみなさん(あるいは、ご覧になった読者)はどのように感じられたでしょうか。
課題作にはエドゥアール・マネの「浜辺にて」(オルセー美術館所蔵)と、モーリス・ドニの「バッカス祭」(ブリヂストン美術館所蔵)を選びました。
マネの作品はドビュッシーの「海」などに関連した作品として出展されていました。モネやルノワール、あるいはドガの作品もあったのですが、印象派のお兄さん的存在のマネの作品を通して、ドビュッシーやマネの生きた時代の人々の心境を想像してみようと思いました。
ドニは若いころドビュッシーといろいろコラボしていたそうで、たくさん出展されていました。前半に多く展示された1890年代の作品と、20世紀に入ってから描かれた「バッカス祭」を比べながら、ドニが表現したかった世界を考えてみました。
今回、みなさんが選んだ作品(よかったり気になったり引っかかったりした作品)は以下のとおりです。全員が違った作品を選びました[E:eye]
今回の講座では初回に太田記念美術館に行きましたが、「浮世絵」と「印象派」「象徴派」の間に実はご縁があったように、芸術はさまざまな形で影響を与え合っています。また、現代美術館でみた一見不可解な現代アートの作品も、実は私たちの日常と深く関わっていたりします。
このようなことを「情報(知識)」として知ることも大切ですが、美術作品をみて気づくことは「自分で感じる、考える」ことをきっかけにしていることに意義があると思います。「まずは自分でじっくりみて、感じて考えて、お互いの感想を聞く」ことを次回以降も大切にしていきたいと思います。
主な使用資料:「ドビュッシー、音楽と美術展(2012)」図録、「フランス象徴派展(2003)」図録、「世紀末ヨーロッパ象徴派展(1996)」図録、「広重 ふたつの富士三十六景(2005)」図録、「Pen 完全保存版一冊まるごと印象派」、オランジュリー美術館図録